vol.69 川勝編集長の覚醒とは?
・柔らかい祈りと遊撃手の考え方
・双子の妹の話し
かわかつ
「昨日は主に会長が仰ってくださった言葉からまず考えていて、最初に結論は別のところに行っちゃったんですけれども、そのまま繋がっていって。
会長に以前僕が運動神経を悪いって話したときに滞っているだけだよって言われて、滞っているだけなんだというふうに思ったのが思考のスタートだったんですけれど、遊撃手の以前仰っていただいた思想で、幸福と不幸を、不幸を超える二元性で分けない、不幸は超えるべきハードルであり楽しみだという言葉があって。
今自分が抱えているモヤモヤみたいな。例えば休日何すればいいんだろうとか、仕事のためにどうすればいいだろうみたいなこととかも、その退屈もハードルと見ようとまず思って。
そこでまた昨日「柔らかい祈り」というのを、いつもには「世界平和の祈り」なんですけれども、柔らかいお祈りをしてみて「私は幸せでありますように、私の悩み苦しみがなくなりますように、私に悟りの光があらわれますように。生きとし生けるものが皆幸せでありますように」というので、この幸せの形というのも遊撃手の思想で、つまりこの幸せは自分の不利な状況も楽しんだ上での幸せなんだということで考えていて。そこから考えてるうちに、妹のことがすごい浮かんで」
妹いるの?
「双子なんですよ。双子の妹というのがすごい頭に出てきて、僕、双子の妹とすごい仲が悪いというか、一方的に僕が妹を嫌いだし、妹も僕を嫌いなんですけれど。それはすごい仲が悪くて。それを思っていたときに、でもここまで本気で僕が毛嫌いする人間って地球上に一人しかいない、妹だけだというふうに思って。じゃあそこに自分の大事なものが詰まっているんじゃないかなというふうに思って考えていったんですけれども。
妹のことを振り返っていたときに、どんどん過去のことを想像していて。
幼少期って双子、妹がいて、子供の頃から本当に毎日二人で遊んでて、365日、5年とか6年、7年以上ずっと前に二人でずっとお人形遊びとかをしていて、一番たぶん創造的な時間を共有して、さらに相手の評価基準が、相手がすごいと思うことを自分もやりたいと思うし、評価基準が絶対的に妹だった、だから周りからどんなにすごいと言われていることでも、自分はもう興味なくて、妹がすごいって言わなきゃ興味がない。
でも自然に成長するにつれて、小学校に上がると、妹ってすごいドジなんですよ。で、同級生の男の子たちとかにからかわれたりとかして、川勝お前の妹ドジじゃんみたいな感じで。でもそうすると僕も何かそこで変なエゴがついちゃって、妹がちょっと鬱陶しいというか、そう思うようになっちゃってきたんです。
ちっちゃい頃とかはスイミングスクールとかに親に言われたんですけれども、その時とかも妹は全然泳げないんですけれども、でも仲良かったから僕もわざと泳ぎが下手なふりをして同じクラスにずっといたという思い出があって、そこから何かスポーツとかわざと下手なフリをするのが小学校でなっちゃったなというのが今本当に思い出せて、それだ!滞っているって。自分で滞らせているよと会長が仰ってくれたのってこれだったんだというふうに、何かを感じたというのと。
小学校で同級生にからかわれて、変なエゴができて、そうすると何か喧嘩も増えるし、ちっちゃい頃自分が活発に遊ぼうとすると、母親からもっと妹と遊んであげて、絵でも描けばいいじゃんとか言われて。
嫌いじゃないけど妹とずっと描いているみたいな状況がすごい無意識であって、そうすると学年が進むごとに何か絵を描くこと自体が、絵を描くこと以外しない妹への攻撃の道具みたいになっちゃって、つまり自分がうまくなればなるほど、妹の存在意義が消えていくんで、自分も絵しか描けないなら、妹よりうまいの描きたいというふうになって、何かこう攻撃の手段を小学校の男の子の同級生からなんか変なふうに学んじゃって、何か傷つけるようなことを妹に言ったりとかめっちゃしてたなっていうのがあって。最も身近な、身近で仲良かった相手が何かどんどん憎たらしくなっちゃうみたいな。ふうになっていて、なんか次第に、妹のためにある意味ずっと絵を描いていて、いい絵が描けたときも、上手いでしょみたいに妹にずっと見せて、妹もすごいって言うし」
凄いって言ってくれるんだ。
「言ってくれるんだけど、でも敵対心もあってって感じで、半々ぐらいだったんですけれども。でも中学と高校に上がっていくにつれて、妹と家で話す時間もどんどん減っていくんですけれども、減っていくと今度は絵を描いた動機とか、絵を描いていた理由というのが、知らないうちに分からなくなっちゃって、自分の中で。普通に絵が好きだから描いていると自分で思い込んでて。そこから、何のために絵を描いてたということを完全に忘れちゃったりすると、高校とか大学も絵を描いていて。
そんで初めて描いた漫画も、会長にいいって言って頂いた漫画も、それはもうリビングで妹の前で描いた漫画なんです。それ以降の漫画は逆に人の前でしか良いものが描けないかなと思ったら、実際は妹の前でしか良い絵もいい漫画も描けていなかったのかなみたいなふうにちょっと思いつつ、気づきがあって。
でも逆にそこでヤングマガジンで賞を取った時に、妹に本当に勝った!と思ったのと同時に、もう妹のことを忘れちゃうぐらい、何か自分の表現ができたということの快感に溺れて、一回溺れちゃって、それに昨日気づいたんですけれども、そこで。
そこで完全にもう自分がずっと描いてた動機に気づかないままずっと絵と漫画を描き続けていたことです。それで、それで今、もう妹のことを考えずにという言い方は変ですけれども、やっと何か。それが分かったことによって、妹を動機に何事もする必要ないんだというふうに昨日気づいて。部屋の掃除もそうだし、勉強もそうだし、格闘技もそうだし、自分がやりたいから、自分が自分だけの幸せのために漫画を描いていいし、運動もやっていいし、ご飯食べていいんだというふうに昨日なんか気づいて。それで何かやっと一人で描けるんだという感動が昨日ずっとあったという感じでした。
競わなくていいんだ。競わなくても、自分一人の楽しみのためだけに何かがこれから出来るんだというふうに気づいた」
でもさ、一番最初の漫画というのは、リビングで妹の前で描いたわけでしょ。だから、いいものができたんだよね。
「そうなんですけれども、でもそこの集中状態って妹を超えちゃってたんですよ、後半の方は。
もう最初はいい漫画を描こう、負けないようにという動機だったんですけれども、書いている途中は全部忘れて、それだけに向き合えたっていう瞬間で、描けたから、そこが本当の楽しみとあれがミックスしているんです。」
妹というのは、漫画を描いているの?
「妹はずっと絵を描いて、漫画はちっちゃいころ描いてたんですけど、今は描いていないです。」
描いてたんだ。
「小学生の頃、毎日二人で漫画描いてました。」
ああ、そうなの。
「もう今は描いていないです。」
今は何してるの妹さんは。
「表向きは働いているんですけれども、本当は働いていない」
何それ。
「なんかまぁその(カット)」
本当に。
「結構何か(カット)」
彼女も同じじゃない、君の負荷に悩んでんじゃないの。
「そうかもしれない」
会いに行けば、一回。
「そうですね。会いたい気持ちは昨日ずっとありました。」
どうなるか分からないけど会ったほうがいいんじゃないかな。
「どれだけ妹を苦しめたんだろうって本当にずっと考えてました。」
それはお互い様だね。
「昨日ずっと考えてました」
いいお話でしたね。
「これ蛇足なんですけれども、何かそういう自分の中で大きなハードルを越えられた瞬間って必ず空見ると流れ星が降ってて」
はっはっは!
「なんか会長の元で大きな気づきが一回あったときも空見たらピュンって流れて。おっきな、本当に大きな流れ星が流れて。
昨日もそれに気づいた瞬間に、あ、気づきがあったと思って、絶対にいま流れ星がふってると思って上みたら、5個くらい降ってて。これ何なんだろうと思って、まぁ何なんだろうと なんですけど。それがありました」
めでたしめでたしですね。早く妹さんに会うといいね。解放してあげたいね。
(※二日後、妹に会いに行きなぜか妹の体調が良くなって元気になっていました。喧嘩もなく漫画の話も少ししました)
シンプルでいい話だね。漫画になるんじゃない?ああでも、難しいか。
これでも起こさなきゃダメだよ文字で。
「いちおう起こしました」
もう起こしたの?すごいな。
「漫画にできると思っています。ボヘミアに描きたいです、上手く行けば。自分の絵の地平がやっと見えた感じなんで、1からのスタートなので苦労するかもしんないですけど、また描いて何かしたいです」
果たして出来るかな?まぁ妹にまず会うことだね。
いくつだっけあんた。
「25です」
まだ全然間に合うな。若いっていいね。
ながら編集長は?
ながら「今年50になります」
ちょうど倍違うんだ。
「そうですね」
それに25足したらワシだもんね。(細かく言えば)23だけど。2周りずつ違うんだね、みんな。ぴょんぴょんぴょんって。(73歳、50歳、25歳)
はい今日は以上!
「ありがとうございます」